「絶対にやってはいけない」安易に、価格を下げること
- 公開日:2015/07/29
- 最終更新日:2021/02/12
経営に行き詰まった時に、目先の対策として「価格を下げること」は誰しもが考えることだと思います。
今回は、そのことについて少しお話したいと思います。
現代のビジネスの状況-シェアの奪い合い-
高度経済成長時代、バブル経済時代の人口が増えていく過程では「供給より需要が多い状態」なので「つくれば売れる」のは当たり前でしたが、人口が減少していくこれからの時代は、「需要より供給が多い状態」、「つくっても売れない時代」になったと言えます。
人口増によってマーケットが拡大していく状況下であれば、需要が増えた部分をいち早く掴み取ることで売上を上げることができました。
このような状況下では、たとえシェアを落としたとしても「売上は前年対比で上がっていた」ということが起こり得たわけです。
ところが、国内市場が縮小していく状況下で売上を上げるためには、限られたお客様のシェアを、他社から奪うことが求められます。そのためには、お客様に他社よりも自社の商品・サービスが優れていると感じてもらい、選ばれなくてはいけません。
では、どうすれば、他社に打ち勝ち、お客様に選ばれることが出来るのでしょうか。
お客様が選ぶ理由-「価格」と「価値」-
お客様は、「商品・サービス」を購入する時、必ず2種類の価値を天秤にかけて考えています。
ひとつはその商品・サービスの「価格」であり、もうひとつはその「価値」です。
お客様は商品・サービスの価格より、その価値が高いと感じれば購入してくれますが、その逆であれば購入を見合わせます。
では、お客様の満足を得て他社に打ち勝つ為には、どうすれば良いでしょうか。
お客様の満足を得るには「価格を下げること」、「価値を高めること」の2つの方法しかありません。
ではどちらの方法で戦うべきか?
ここで今日の本題です。
中小企業は、安易に価格を下げてはいけません。
価格を下げては行けない理由
①あなたの会社で買う理由が簡単に失われる
単に値下げをしただけの場合、競合他社があなたの会社以上に値下げをしたり、同じ価格でもっとサービス・商品の量を増やしたら、お客様はいとも簡単に競合他社になびいてしまいます。
②値下げする前より、量を売らないと利益が出なくなる
値下げをすれば、1個あたりの利益が下がります。また、量を沢山売るために、流通コストが増加したり、販売する人員を増やしたりという費用が増加するなら、より利益は減ります。
③値下げしても売れなかった時、在庫のリスクが発生する
もしも、売れ残った場合、他店舗を持っている大手企業なら、他の店舗へ回すなどの策をとることが可能ですが、そうしたことのできない中小企業が、在庫を抱えるというリスクを負うことは、非常に危険です。
このように、安易に価格を下げるという経営判断は、短期的にはよく見えても、結果として企業を危険にさらすことになります。だからこそ、あなたの会社にしかできないこと=「価値」を明確にすることがとても重要なのです。
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