自社の「ストーリー」を考えるということ
- 公開日:2015/03/19
- 最終更新日:2021/02/12
当ブログ以前の記事「自社ブランド確立のために」で、「ライバルとの優位性を明確にする」ことについてお話しましたが、そもそもその優位性の根源はなんなのか?
今回は、ブランドの存在・理念の根源「ストーリー」を明確にする方法をお話しします。
「ストーリー」とは?
まず、ストーリーとはなんでしょうか。
例えば、スターバックス。「喉が渇いたからコーヒーを飲もう」ではなく「寛ぎたいから、リラックスしたいからスターバックスに行こう」といった具合に、スターバックスへ行く行為そのものが、お客様の「喉が乾いた」という生理的現象にとどまらない、「寛ぎ」などの感情的な経験に訴えかけるものになっています。ただ単に、「喉が乾いた」のなら、缶コーヒーでも、水道の水でも代用は可能ですし、ただ単に「座りたい」とのなら、他の喫茶店でも公園のベンチでも代用は可能です。
しかしながら、スターバックでしか体験できない「寛ぎ」や「リラックス」を経験したお客様はことわるごとにそれを思い出すことになり、それこそがスターバックスの存在の価値として物語=ストーリーを提供しています。スターバックスは自らのビジネスを「コーヒー・ビジネス」ではなく「ピープル・ビジネス」と称しています。
これは、お客様に単に飲み物を提供するビジネスではなく、「人々が寛ぐことのできる場所を提供する」という理念を基に、そこに共感してくれるお客様を集めることで、ストーリーを創造しているのです。
このように価値観や経験を反映したストーリーは、聞いた人、体験した人の心を打ち、その人の記憶に残り、更に友人や知人に語られ広がっていく可能性があります。
自社の「ストーリー」を考えるには?
では、自社に置き換えた場合はどうなのかですが、まず起業を思い立った時のことを、何度も積極的に、誰かに熱く語ってみてください。
何度もストーリーを人に話すことによって、人がどのポイントで頷いてくれるのか、興味をもってくれるのかがだんだんわかってきます。そうしているうちに、自分では平凡だと思っていた起業への思いが、多くの人を感動させる洗練されたストーリーへと進化していきます。
私も、起業される前のお客様と初めてお会いするときに、「起業の思い」について、事業計画書などを拝見しながらお伺いすると、ほとんどの方は、初めは比較的淡々と「もともと勤め人でいるより自分でやってみたかった」といったようなニュアンスのお話をされるのですが、いろいろとお伺いしていくうちに、「実は子供の頃からのいつかやりたかった」とか、「地域の方々が困っていることを少しでも解消させたい」といったような思いがあったり、とても引きつけられる魅力的なストーリーを語ってくださることもあります。
私の経営コンサルタントという仕事は、事業のご相談や事業戦略の立案ももちろんですが、こういった事業の物語=ストーリーを明確にして、それを広めていくお手伝いも重要だといつも思っております。
とにかく何度も誰かに話してみること。そこから初めてみてはいかがでしょうか。
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